2011年5月から153日間、夫と世界を散歩しました  現在はニューヨークで新たな挑戦に挑んでいます!

2011-04-05

収入ゼロの生活へ

3月末で10年続けた翻訳の仕事にカンマをつけた
ピリオドではなくカンマだ
旅の間は仕事を引き受けないが
NYに移住してからまた再開する可能性がある

漫画を40冊、NHKの番組を150本
数え切れないほどの時間をパソコンの前で過ごした
辞書をめくり、単語とにらみ合い、翻訳のおもしろさにとらわれた

「翻訳ってつまらなくない?」と聞かれることがある
確かに、専門用語を並べていくだけのつまらない内容もある
でも、生きた言葉を専門にしている私にとって
漫画と映像の翻訳はとてもクリエイティブな仕事だ

日本語という詩的な言語をダイレクトな英語に置き換える
なかなか難しいことである
言葉の微妙なニュアンスが伝わるかはすべて翻訳者にかかっている

漫画の翻訳で苦しんだのは擬音とジョーク
日本語独特の擬音はたくさんあるが
その中でも傑作なのが沈黙を表現する「しーん」
音がない状況を音で表現するってすごい発想だよね

ジョークは文化に深く根付いている
日本人にとって笑えるジョークは外国人にとっておもしろいとは限らない
むしろ落ちが伝わらないジョークのほうが多い
日本語の内容を生かしながら
英語圏の人にも笑ってもらえるように工夫しなくてはならない

ドキュメンタリーの翻訳で重要なのは映像と合った表現を見つけること
ナレーションの台本とナレーターの声によって作品の「色」が出る
日本語版の「色」を同じように英語版に出すには、行間を読み取り
見えている映像と聞こえているナレーションのバランスを感じ取る必要がある
映像と言葉の相性を考えながら翻訳するおもしろさは病み付きになる

ドラマの翻訳では登場人物の性格を把握することが大事
伝えたいことが同じでも、Aさんだったらこういうが、Bさんだったらこういう
性格に合った表現を見つけて、字幕の場合は限られた字数内におさめる
難しいけど、言葉をはめ込んでいくパズルのようでとても楽しい

子ども番組の翻訳で楽しかったのは歌詞
CDの歌詞カードの翻訳と違うところは、音を意識すること
リズムに合った子どもらしい表現で、韻を踏んでいく
歌詞の翻訳は、翻訳というより作詞に近い

こんなおもしろい仕事に出会えてよかったなぁ~

3 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

さえ!
無事で何より。そして気をつけて行ってらっしゃい。

旅の報告を楽しみにしてるよ♪

ひらく

Yoshi さんのコメント...

ひらく!久しぶりぃ
お父さんになるって、かやのから聞いたよ!
おめでとう~

Unknown さんのコメント...

おお。どもども。
次に会える時には連れて行くよ!